営業マネージャー自身が、今まで営業マンとして行ってきた活動を振り返ってプロセスに整理することで、部下が成果を上げられない原因を探ることができます。自身の活動を、一般営業マンが理解できるよう「プロセスとして書き出してみる」ことで、営業経験の棚卸ができ、業務として整理できると同時に自分自身の頭の整理にもなります。
そして、その営業プロセスの各項目を営業支援ソフトの案件進捗チェックリストとして登録します。案件の進捗が数値として計算され、上司は部下の案件の達成度を数字で把握・チェックできるようになります。その結果、適切な指導・相談ができ、見えにくい「症状」を発見して対処することができます。
同時に、個々の営業マンが苦手としている業務が明らかになり、個別の指導方針も定まります。それでも問題のある部下には、営業マネージャーがいっしょになって「当たり前の業務として実施していることが、なぜモレているのか」を様々な角度から検討できます。
また、訪問督促警告と、案件のランクアップの進捗遅れ警告が表示されるので、うっかりタイミングを逃すことを防げます。商談の流れと案件の進捗から、受注のための具体的な対策を打つことができます。
企業は、顧客価値を創造し向上させるために営業活動をしています。顧客価値を創造するには、技術的に良い製品を製造していれば良いというプロダクトアウト的な考え方ではなく、顧客が真に望んでいるものを顧客の立場に立って判断する、マーケットインの考え方が必要です。顧客に価値を認められ、購入されてこそ、良い製品(サービス)と言えます。そのためには、顧客ニーズ・ウォンツの変化を的確にとらえることが不可欠ですが、営業支援システムを利用すれば、顧客から得られる貴重な情報を正確に記録・報告でき、サービスの向上に役立ちます。
まず、営業マンは訪問予定表に、訪問先と時間をあらかじめ入力しておきます。そうすることで、上司は部下の行動予定が適正かどうかチェックできます。商談後、訪問予定表から該当箇所をクリックすると訪問先と時間が自動的にセットされるので、従来に比べて手間が省け、日報入力が簡単・スピーディーです。報告内容は何パターンか登録しておき、その中から選択入力できます。上司によるコメント入力も選択方式で行えます。上司からのコメントはソフト起動時に画面に表示されるので、確実に部下へ伝わります。こうして、上下間のコミュニケーションが活発になり、その結果、お客様への問題解決を迅速に行えるようになります。
案件の進捗を数値化している目的は、商談の実態を正確に把握して受注確率を上げることです。定性情報と定量情報を組み合わせることで、商談の内容を客観的に判断できる仕組みになっています。
日報に書かれている情報は、顧客の発言であったり、営業マンが感じたことであったりと、定型化が難しい定性情報です。微妙なニュアンスや感覚など、貴重な情報を含んでいる一方で、担当者の主観や思い込み、表現力の差などが反映されている面もあります。そのため日報からの情報だけでは、適切に現場の状況を把握することが困難なのです。
例えば、「お客様から、自社商品が非常に良いという反応を頂いた」と、報告があったとしましょう。そのまま鵜呑みにして、商品が良い評価を受けていると喜んではいけません。商談の相手がお世辞を言っただけかもしれませんし、実際に商品が気に入られていても、その担当者に購買の権限があるとは限らないからです。
そこで役立つのが、数値で表された定量情報です。営業プロセスを分析し、どのプロセスを達成したかを数値化しています。定量情報をしっかりチェックしながら商談を進めることで、より深い考察が可能になります。上の例の場合、商談した相手はキーマンかどうかを確認し、そうでなければキーマンへの面談を申し込む、というように、具体的な指示を出すことができるのです。
このように、定性情報と定量情報を重ね合わせて状況を正しく認識することで、商談がはかどり、売上アップにつながっていきます。
営業支援システムを活用すれば、ルート営業も効率的に行えます。
ルート営業では、定期的に顧客を訪問し、役に立つ情報を提供しながら、困っていることを聞き出し、絶えず顧客の満足度を確認し、案件がある場合は素早く提案して、受注へつなげていきます。一日に何件も回るからこそ、顧客ごとの計画をしっかり立てて、事前に準備しておく必要があります。
このシステムでは、収益・成長などの観点から、顧客をA・B・Cランクに分類し、顧客ごとに訪問間隔を設定しておきます。このデータをもとに訪問計画がチェックされ、訪問漏れを未然に防ぎます。計画が立ったら、該当の日をクリックして地図を選びます。すると、その日訪問する場所がGoogle Mapに表示されるので、効率的な移動ルートを選択できます。帰社後は、訪問予定画面で顧客名をクリックすれば、スムーズに報告の入力ができます。
また、営業報告の一括入力を利用すると、その日の訪問情報をひとまとめに入力できて便利です。案件や詳しい商談内容も書き込んでおけます。
学歴・知能と業績とはさほど相関性がなく、業績の良い人には共通の行動特性があるものです。彼・彼女らは、商談資料の作成、商談方法の検証を前日までに行っています。また、事前に訪問先の情報を入手したり、資料を準備したりしています。
そこで、社内で段取りの方法などを発表してもらう機会を作ります。「知」と「場」を共有することで、個人の知が集団知になり、業績の芳しくない人々にとって勉強になるだけでなく、発表する側にも良い刺激になります。アイディアは、人に話したり聞いたりすることで育っていくからです。発表者にはインセンティブを与えるか、表彰してください。発表の内容は必ずデータベースにまとめて、全員が検索・閲覧できるようにしておきます。こうした積み重ねで、企業全体を徐々にレベルアップさせることができます。
案件の提案から受注に至るまでのプロセスで、営業活動として必要な各項目を設定し、それぞれにポイントを付けて、その合計点によって各案件の状況を数値化、ランク設定しています。この結果と日報報告をもとに、上司と担当者が今後すべき営業活動について明確に話し合えます。具体的な行動を起こすことで案件のランクを上げていき、それにつれて受注の確率も上がっていきます。
部下を指導する人の意識を、少し変えていただけたらと思います。業績が悪い人をガミガミ叱るというのではなく、業績の良い人の行動モデルを示すと共に、「聞く」「質問する」を中心としたコーチングスタイルにシフトしていただきたいのです。部下の話を聞き、問いかけをすることで、自分自身の問題点に気づかせます。そして、その問題を改善・解決できるようにサポートしていきます。
部下が自ら問題点を見つけ、思考や行動を変えて試行錯誤する中で、お客様と喜びを共有する機会が増えてきます。そのような体験を重ね、達成感を得ることで、仕事にやりがいを感じるようになります。そうすれば、ますます意欲的に業務に取り組むようになり、顧客が抱えている問題の解決方法を考え、提案できるようになります。自主的に、ニーズに合う資料を探し、理解して、伝える努力をするようになります。こうした努力の継続が、顧客サービスを着実に向上させていきます。
結果だけに焦点を当てるのではなく、ひとりひとりのプロセスを改善していくことで、組織全体が業績の良い人の行動パターンに近づき、企業の営業力の底上げにつながります。
このシステムは、営業プロセスの定量分析を行います。この定量情報と、訪問先で得た具体的な情報(=日報の内容)を組み合わせることが、業績アップのカギとなります。(Q3参照)
営業マンは顧客を訪問後、ソフトを起動して日報を作成します。プルダウンボックスから訪問先や項目を選んで、簡単に入力できる仕組みになっています。ボックスの内容は、それぞれの企業に合わせて設定できます。また、営業の進捗を数値化し、得意先への訪問漏れがあれば督促されます。次回のアポがとれているかどうか、営業報告を必ずチェックしてください。とれていない場合、営業マネージャーは部下の商談内容を確認し、問題点を修正して、再度訪問の機会を作るように指導します。
このように、このソフトに沿って案件を進めていくことで、合理的に売上アップに導いていきます。
上司は、単純に結果だけを評価するのではなく、目標を達成するためのプロセス(具体的な行動)をきちんと実行しているかどうか、チェックする必要があります。顧客を訪問できているか、訪問回数・時間は予定通りであるか、などです。
重要なのは、数字ではなく行動を目標に置くことです。行動すれば、自ずと結果にもつながります。(→もっと詳しく)
営業マンが努力してできる項目(KPI)を行動目標とし、そのKPIが達成できているかどうかをチェックし、遂行できるようにアドバイスしていきます。そうすれば、その営業マンは必ず良い業績を残せるようになります。
簡単に操作できますので、難しくも面倒でもありません。訪問先を選択し、日付欄にマウスでドラッグするだけで、訪問予定が作成できます。 商談を終えて日報を入力するときは、訪問予定表の訪問先をクリックします。すると、訪問先・月日が自動で入力されます。
日報の各項目も選択方式なので、文字入力が最小限で済みます。案件の一覧から見たいものをクリックすると、日報一覧が表示されて商談内容を確認できます。一連の資料画面から項目をクリックすると、それに該当する資料が表示される仕組みになっています。