■セルフ・イメージを高める
世の中には仕事や人間関係など、人生を豊かにする本がたくさん出ています。モチベーションを上げる方法も含め、テクニックやノウハウも豊富にあることの証ですが、それらを読んだからといって、必ずしも成功するわけではありません。
自分に対する評価やイメージをあまり真剣に顧みたことがない人が多いかもしれませんが、「私はうまくできない」というネガティブなイメージを消して、成功する自分をイメージすることで、実際に仕事がいいほうに向かうというケースは多くあります。
つまり「仕事ができるようになりたい!」と思っていても、「自分には能力がない」「才能がない」という思い込みがあれば、頑張ろうとしても「努力が報われない」ということです。
潜在的なセルフイメージは、些末な日常生活から人生全体にまで、私たちの行動をいつの間にか決定づけている重要なものなのです。
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「心のつぶやき」まで前向きに
自覚しているかどうかわからないが、人間は四六時中、心の中で自分と会話している。自分で自分を励ましているのか、それとも自分をけなしてばかりなのか。前向きな言葉をかけているなら、前向きなセルフイメージをつくり上げられるし、後ろ向きな言葉をかけているなら自尊心はボロボロだ。
人は年齢を重ねるほど、自分の思考、口に出す言葉、信念に責任を持つべきだ。誰でも今日までの人生で、多くの問題にぶつかってきただろうが、自分を卑下した話し方では、問題がさらに大きくなるのが関の山である。
自分で自分を励まし、応援すること
いい仕事をしたとき、または、怠け心に打ち勝って、決めたことを実行できたときは、自分で自分を誉める。それが自分にとってどんなにプラスになるかを思考する。失敗したときは、自分の欠点をあげつらうのではなく、失敗は成長への第一歩であり、次はもっとうまくやろうと、自分に言い聞かせる。
他人と比べない
自分と他人を比較すると、どうなるか。ひとつは、他の人たちがみんな自分のずっと前を歩いているような気がしてやる気を失う。もう一つは、自分のほうが優秀だと思って天狗になるかだ。
自分と他人との比較より、自分の成長に集中すること。自分を比較する相手は自分しかいない。今日の自分が、昨日の自分より進歩していることが大切なのだ。
今日できることに焦点を絞り、改善と成長を目指すこと。それを繰り返していけば、数週間前、数カ月前、数年前の自分を思い出して、今の自分と比較し、さらに成長したいという気持ちになるだろう。
自分の限界(リミッター)を外す
多くの人が自分を信じることに懐疑的だ。自分には大きなことを成し遂げる能力がないと思っているのだ。しかし、私たちが直面する最大の障害は、困ったことに自分で自分に設けている限界なのだ。
たとえば、仕事のため、あるいは海外旅行をもっと楽しむために外国語を修得したいが、それは無理だと思っているとする。
この場合、自分がそう考えていることを自覚し、「外国語など勉強しない」という考え方が、いかに自分の進歩を邪魔しているか、よく考えてみること。
そして、もし外国語を身につけることができたらどうなるか? 想像してみる。どんな気分になって、何ができるようになるか。仕事にどのように役立つか。
最終的に自分の進歩を妨害するのは、「自分にはできない」という自身の思い込みだということを忘れてはならない。
「他人の価値」を認める
自尊心の低い人は、自分が取るに足りない人間だと感じやすく、被害者意識が強い。やたらと自意識過剰になり、自己防衛本能が強く、自分勝手になりやすい。そうしなければ生きていけないと思っているからだ。
もしあなたがそう感じているなら、他人のために尽くし、その人の価値を高めてあげることで、そうした感情を払拭できる。たとえ小さなことでも、他人の人生にプラスの影響を及ぼせるよう努力する。
人のためになることをして、悪い気がするはずはない。それに、あなたの助けでその人の価値が高まれば、あなた自身の価値も高まることになる。 つまり、お互いに自尊心を高め合うことができるのだ。
困難でも「正しいこと」をする
自尊心を持つには、正しいと思うことをするのが最善の方法だ。正しいことをすれば、大きな満足感が得られる。
もしそうでなければ、罪悪感を持ち、後悔に苛まれるか、「自分は間違っていない」「大したことではない」と自分を納得させることになる。自分の心に嘘をつくことは、人としての品格を傷つけ、自尊心を損なうだろう。
人格の形成につながる正しい行動を取るたびに、人は強くなっていく。そしてより困難な課題に立ち向かい、人格を高めていく。前向きな姿勢は人生のあらゆる側面に広がっていき、積極性が増すので、自分らしく振る舞え、そのことが自信につながっていく。
「明るい未来」を思い描く
どんな人も、自分の人生を意味あるものにしたいはずだ。しかし、自尊心の低い人にとって、それは難しい。 自分の人生には明るい未来があると信じ、それを実現するために行動する人は、自分の人生がいかに貴重かを深く自覚している。
あなたにとって大切なものは何か?あなたが明るい未来を思い描けるのは、どんなときか。もし、そのような未来を思い描けないなら、人生に無関心である可能性が高い。
しかし、もし自分の価値観に基づいて、そこからどのような人生が開けるかを思い描くことができたら、前進するために行動しようと思うに違いない。そして、行動の一つ一つが自信につながり、さらに前進を促す原動力になる。
自分の人生に責任を持つ
「これぐらいなら、まだ大丈夫」と常に耐え忍んでいると、困ったことになる。 たとえば、少しぐらい人から馬鹿にされてもいいと思っていると、みんなから馬鹿にされる。自分なりの人生計画や目標がないと、誰か別の人の人生に取り込まれてしまうのだ。
自分の人生は変えることができる。どんな環境で育ったかとは関係なく、あなたはよりよい人生を実現できる。過去にどんなに深い心の傷を負っていても、どんなにひどい失敗をしていても、あなたは学び、成長することができる。持って生まれた素質を最大限に生かすことができる。
つまり、自分を信じて、歩み出せばいいだけだ。
そして一歩前進するたびに、前向きに考え、正しい選択をし、少しだけ規律正しく行動すれば、一歩ずつ目標に近づいていく。立ち止まらずに前進し続け、そして信じ続け、セルフイメージを上げることを意識することが重要だ。
参考文献:『自分が変わるための成長戦略』 ジョン・C・マクウェル著 三笠書房