時間の質を高める

タスクについて考えてみたいと思います。タスクは第1領域:緊急かつ重要、第2領域:緊急ではないが重要、第3領域:緊急だが重要ではない、第4領域:緊急でも重要でもない、の4分類に分にされます。

おうおうにして、第1領域、第3領域に時間が割かれてしいます。「締め切り直前のタスク」といった活動で、多くの人は「緊急」なものばかりを優先してバタバタすることがよく起こります。第2領域での「周到な準備と計画」を怠った結果であると言えます。

第3領域の緊急だが重要でない要件は絶えず、身にふりかかってきます。上手に対処しなければ、1日はこのことで終わってしまいます。 第2領域は人間関係づくり、体力づくり、スキルアップ、準備や計画などの事項があります。これらに力点をおくことで成長、上達への能力をつけることになります。

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時間の「行き先」を認識

自分の時間を占めるものについて理解することが、時間の使い道についてより良い決断を下せるようになります。私たちが日々時間を使っているものは、大きく3つに分類されます。それは、「習慣」「やることリストのタスク」「カレンダーに記入した約束ごと」です。

「習慣」は睡眠、歯磨き、食事、通勤、寝る前の読書、通勤時にニュースの見出しを確認し、帰宅したらテレビをつける、などがあります。 習慣として確立しやすいのは、衛生、健康、食事、支払い、休憩、家事に関することや、メールを日に何度かチエックするなどです。

習慣化した行動は、脳の自動操縦に頼るようになります。だから、習慣になった行動をしているときは、別のことに意識を集中させることが可能です。 たとえば、朝シャワーを浴びたり歯を磨いたりしているときに、その日最初の会議で言うべきことについて考えるにします。職場までの道すがら、クライアントとの電話で話す内容について考えることができます。

また、数えきれないほど繰り返し行っていると、ペイン(=苦痛)回避タスクが習慣化することもある。そうなれば、集中しなくても作業を完了させられます。

習慣になるのは単純な行動がほとんどだが、どれも時間を取ることに変わりはないです。それらにかかる時間をカウントしないわけにはいかないし、1日の終わりにその時間がもどってくることもないです。1日の時間の使い方を考えるときは、習慣や日課に使う時間も考慮に入れる必要があります。

「やることリスト」は、忘れたくない用事をリストアップします。データの更新、回覧事項の伝達、クライアントへの連絡、メールの送信、経費明細の提出、食材の買い出し、プレゼントの購入、郵送の手配、請求書の支払い、片づけなどです。

ただし、たとえ今日中にしなくてはいけないタスクでも、カレンダーに書き込む約束ごとと違って、それらに取り組む時間を具体的に決めることはないので、時間の融通が利きます。

カレンダーには、会議やアポなど、仕事、プライベートに関係なく、特定の時間に所定の場所にいなくてはいけない用事はすべてこれに当てはまります。時間の決まっている何かがあると、それに合わせてほかの予定を組むことになります。同じ時間に別の用事や約束が重なるのを防ぐためです。

約束があると、スケジュールの調整、事前の準備、その時間帯に入ってきた予定の変更といった余計な仕事が発生するので、大事な用件しか約束ごとにはしないものです。

以上いまあげた3つのカテゴリーが、1日の活動のほぼすべてを占めます。この3つに当てはまらないものは、あなたの人生に存在しません。 では、それらを効率よく管理、活用し、自分の時間を最大限に充実させるにはどうようにしていきますか。

習慣に「何時間」使っているか

まずは、身についている習慣の良し悪しについて考えてみよう。 自分の習慣について、何か変える必要があるだろうか。 日課としてやっていることで、もっと良くなること、もっと健康的になること、もっと効率良くなることはあるだろうか。

たとえば、職場からの帰り道に毎日ファストフード店に立ち寄る習慣があるなら、それをやめて自宅で健康的な食事をとるようにすれば、今日よりも明日が良くなるでしょう。いまの自分の習慣や日課の行動に満足していても、習慣に毎日どのくらいの時間を使っているかを意識してみるといい。それを変えることが立派な「ゲイン(=利得)」になるだろう。

その日のうちにしなくてはいけないペイン(=苦痛)回避タスクをリストアップし、やることリストを作成すれば、忘れずにすむし、締め切り間際まで先送りにすることも防げるでしょう。

リストアップすることで、予定よりも早くタスクが完了するようになれば、自分の時間に余裕が生まれます(延滞料金を払わずにすむようになるかもしれません)。 このように習慣化したタスクやペイン回避タスクは、取りかかりやすくなります。自分を動かすきっかけがあったり、締め切りがあったりするからです。

書きだすだけでは「実行」できない。

しかし、目標は違う。自分の目標を見つけていても、書きだしていても、それに取り組む時間を自分で設けないかぎり、実現に近づきません。 あなたの時間はつねにほかのことへと向かってしまう。来る日も来る日も、生活するために必要なペイン回避タスクが時間を奪っていきます。

目標には締め切りがありません。誰かがやってきて「もうやった?」と尋ねることもないです。 自分が心から実現したい重要(=A)タスクはもちろんだが、評価が関係するBタスクも、脳の自動操縦にまかせているだけでは達成できません。それらには、自動ではない高いレベルでの思考と作業が求められるからです。

AタスクやBタスクに取り組むときは、脳の使用する部位も普段と違い、前頭前皮質を活用する必要があります。脳のその場所を活用するには、生き残ることを最優先とした思考モードを止めなければなりません。そこで役に立つのがカレンダーです。

健全で効率のよい習慣を身につけることと、やることリストを活用することは、時間や生活を管理するのに有効だが、カレンダーはそれとは違い、「人生を前に進めるためのツール」となってくれます。

時間を決めて、目標の実現を確定

目標を実現できない人が大勢いるのは、実現に向けて動く時間を確保しようとしないからです。 カレンダーと目標に向けた作業を行う日時を確保すれば、その時間にほかの予定は入りません。たぶん、これまでそうしなかったのは、目標のための時間を見つけようとしていたからです。

だが、ペイン回避タスクに1日中取り組んだ後で、「よし、まだまだ元気でやる気もあるから、自分の未来について考えて、自分の人生をもっと良くするぞ!」と言いたくなるとは思えません。そういうとき、人は創造ゴールより夜遊びに出かけるなどの消費ゴールに心が動きます。

もし、目標のための時間ができるのを待っているのだとしたら、いますぐやめたほうがいいです。自然に時間ができることは絶対ありません。 ペイン回避タスクに追われるサイクルを壊す方法はカレンダーに目標を組み込むしかないのです。

自分の人生にとって、時間を確保するだけの価値があるものは何か、考えてみてほしい。ゴミ出しのようなタスクをあげる人はいないだろう。

時間の確保は簡単ではありません。だが、新たな活動や依頼が入っても、すでに予定に入れたゲインタスクのためにそれを断れば、そのたびに、ゲインタスクを通じて得られる成果がいかに自分にとって重要なのかを思いだすことができます。

実現する価値のある目xss標を見つければ、実現したときのことを思い浮かべるたびに、実現したいという思いが強くなっていきます。

自分が叶えたい目標以上に、スケジュールを調整して時間を確保すべきものがあるだろうか? それだけの労力と自制心を費やすのなら、自分で価値があると感じる結果のためでないと報われません。

肝心なのは、言葉と行動を一致させることです。自分にとって重要だと言うなら、次はいかに重要なのかを態度で示すことです、カレンダーに目標を組み込むことで、目標の実現が束となります。目標のために行動する時間を確保すれば、目標はいずれ必ず実現します。ゲインが獲得するには、このことを心構えし、実践していくことが重要です。

参考文献:『決める』 スティーブ・マクラッチ著/ダイヤモンド社 

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