■ 頭でわかっていることと行動との間に横たわる深い溝

 会社が経営の改善のため、「行動力がほしい」、「売上達成には活力がもたらされるようなコミュニケーションが必要だ」との方針を打ち出しても、 社員は頭でわかっても, 具体的な行動を起こすまでにはなりません。

頭でわかっていることの行動の間には深い溝があます。 その溝をできるだけ早く具体的に埋める技術があれば、より早くより大きく目標を達成することができることになります。
また、会議で決まったことがいつまで経っても実現しないのはなぜか?」
「部下はなぜ言ってもわからないのか?」
「コンサルタントを入れて素晴らしい戦略を立てたのに、なぜ実践できないのか?」
「失敗した部下を責めるのは逆効果だと知っていても、いざとなると責めてしまうのはなぜか?」
「誉めたほうがいいのはわかっているのに、本人を前にすると誉められないのはなぜか?」
「時間とお金をかけてつくったコンピタンシーがなぜ使われていないのか?」
「また、会議で決まったことがいつまで経っても実現しないのはなぜか?」
「部下はなぜ言ってもわからないのか?」
「コンサルタントを入れて素晴らしい戦略を立てたのに、なぜ実践できないのか?」
「失敗した部下を責めるのは逆効果だと知っていても、いざとなると責めてしまうのはなぜか?」
「誉めたほうがいいのはわかっているのに、本人を前にすると誉められないのはなぜか?」
「時間とお金をかけてつくったコンピタンシーがなぜ使われていないのか?」
知識と行動の溝を埋めるためのトップと社員との社員からの自発的な考えをいえるような話し合いが必要になります。

知識や頭で理解していることが必ずしも行動に移せるわけではありません。アイディアを生み出すことと、それを発展させ行動に移していくことでは、別のプロセスが必要なのです。 そして、今私たちがもっとも必要としているのは、ユニークなアイディアだけではなく、そのアイディアを行動に移すことのできる、もうひとつのアイディアなのです。

このように、ビジネスやパーソナルな目標達成の分野に紅いて、頭でわかっていることと行動との間に横たわる深い溝−この溝を双方向のコミュニケーションによって埋めていく試みが、「コーチング」です。

どうやったら、行動を起こし、行動を変えていくことができるのか、この緊急かつ最大の課題に対して、いち早くコーチをつけるという知恵を見出したのはスポーツ選手でした。すなわち、目標の管理、練習方法の開発、栄養、メンタルタフネス、体の管理、技術の向上など、ひとりでは管理しきれない課題と情報を、コーチとの間で解決していこうとしたのです。

ただし、そのスポーツの世界でも、コーチは技術を教えるものだと思われてきました。知識と技術はコーチが持っているものであり、選手はそれを教えてもらうものとされてきたのです。
しかし、最近になって、一方的に教えても選手はその技術や知識をそのまま使えないということがわかってきました。選手が本当に使えるアイディアとは、それを使う本人が自分で見つけ出し、そのアイディアを発展させるアイディアも自分で見つけ出すという過程を踏むことが必要だったのです。

そうすることで、はじめて自分から行動が起こせることがわかってきたのです。 そこで最近は、コーチがつくり出す双方向のコミュニケーシヨンの中で、選手自身がどんな考え方や技術を使えるかを見つけ出していくという方法がとられるようになってきました。

このー方通行ではなく、双方向でアイディアを出し合い、それを検討し行動に移すためのアイディアもまた双方向のコミュニケーションから生み出ます。この一連のプロセスを「コーチング」といいます。
つまり、目標やテーマを設定しそれを実現する過程で、クライアントとコーチが会話を重ね、その双方向のコミュニケーションを通じて課題を解決していくのです。

従来のマネジメントに代わるものとも新しい人材開発の手法として、おもにビジネスの場で活用されています。また、スポーツ界のコーチも、専門の競技の指導に関するスキルに加えてコーチングというコミュニケーション・スキルを学び、「教える」という立場から「自発的な行動を促す」という立場ヘシフトしつつあります。

参考文献 コーチングマネジメント 著者:伊藤守